理事長挨拶

一般社団法人 日本手術医学会理事長
深柄 和彦

令和4年10月の理事会で安原洋先生の後任として本学会の理事長に選任いただきました、東京大学医学部附属病院手術部の深柄和彦(ふかつ)です。浅学菲才の身ではありますが、精一杯、学会の発展に努めますので、ご指導ご鞭撻をいただきたくよろしくお願い申し上げます。

長らくの懸案事項でありました法人化も成り、新しい体制でのスタートとなる本学会ですが、世の中は未だ新型コロナウイルス感染禍が止むことなく、特に医療の世界では感染対策のための行動制限が極めて厳しい状況が続いています。手術を執刀するのは外科医であることはもちろんですが、手術室では、麻酔科医・看護師・臨床工学技士・放射線技師・検査技師・薬剤師・滅菌管理業務担当者・事務職員・委託業者職員など、多くの職種のスタッフが働いており、各スタッフの力量に加え、良好なコミュニケーション無しでは素晴らしい手術医療を提供することはできません。手術を受ける患者さんご自身、このコミュニケーションのキーパーソンです。われわれは、コロナ禍におけるコミュニケーションの難しさを経験して、さらにその重要性を認識できたような気がしています。手術手技、麻酔管理、手術看護、医療機器、薬剤、周術期管理、滅菌管理、映像や情報・器材の管理システムなど、何よりも人と人の良好なつながりの点から、基礎研究・臨床研究を行い、臨床での実地の経験をまとめて、より良い手術医療を目指すことが求められています。本学会は手術医学の名の下、多職種がこれらに横断的・総合的に取り組むという極めて重要なミッションを帯びています。

今後の学会運営にあたっては、理事・監事・諸委員会の委員のみなさまと力を合わせて、以下の点について特に力を注ぎたいと考えています。

  1. 会員サービスの向上
  2. 学会ホームページの充実
  3. 他学会・他団体との協力
  4. 安全かつ効率的で、患者さんとスタッフが幸せを感じることができるような手術室運のための新しい技術・機器・システムの開発

会員のみなさま、これから入会されるかもしれないみなさま、手術医療に携わるすべての人たちの力を合わせていただければ幸いです。

2023年1月吉日
一般社団法人 日本手術医学会理事長
深柄 和彦